特定技能1号で試験免除になる条件は?技能実習修了者が確認したいポイント

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特定技能外国人の採用を検討する際、
「技能実習2号を修了していれば試験は免除されるのか」
「別の分野で働く場合も試験を受けなくてよいのか」
と疑問に思う採用担当者の方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、特定技能1号では原則、技能試験と日本語試験への合格が必要です。
しかし、技能実習2号を良好に修了していれば、一定の条件のもとで試験が免除されます。
ただし、すべての試験が必ず免除されるわけではありません。
特に技能試験については、技能実習で従事していた職種・作業と、特定技能で従事する業務との関連性が重要です。
本記事では、特定技能1号の試験免除の条件や必要な確認書類、免除の対象とならないケースについてわかりやすく解説します。
外国人材の採用を進める際の参考にしてください。
特定技能1号で必要な試験と、試験免除の基本ルール

特定技能1号は、一定の専門知識や技能を持ち、人手不足が深刻な産業分野で働く外国人を対象とした在留資格です。
出入国在留管理庁の資料(2026年10月時点)では、技能水準と日本語能力の2つを、試験などで確認すると整理されています。
技能実習2号を良好に修了した人には、この確認を試験で行わない免除の仕組みがあります。
技能試験と日本語試験で確認されること
特定技能1号の試験には、仕事に必要な技能を確認する「技能試験」と、日本語能力を確認する「日本語試験」があります。
技能試験は分野や業務区分ごとに実施され、技能検定3級と同等程度の水準が基準となっています。
一方、日本語試験では、原則として日本語教育の参照枠でA2相当以上の能力が求められます。主な試験は、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)と日本語能力試験(N4以上)の2種類です。
なお、介護分野では、これらに加えて「介護日本語評価試験」の合格も求められるため、注意しましょう。
試験免除の考え方と「当分の間」の位置づけ
政府の基本方針は、第2号技能実習を良好に修了した人について、当分の間、試験等を免除し、必要な技能水準と日本語教育の参照枠A2相当の日本語能力を満たすものとして扱うと定めています。
育成就労制度は2027年4月に運用が始まり、育成就労から特定技能1号へ移るときは、技能と日本語の試験への合格が必要です。
出入国在留管理庁の育成就労制度Q&Aによると、制度の開始後も当分の間は、技能実習2号を良好に修了して業務との関連性が認められる人の移行が可能とされています。
技能実習2号修了者が特定技能1号の試験免除になる条件

技能実習2号を修了していれば、誰でも特定技能1号の試験が免除されるわけではありません。
技能実習を良好に修了していることに加え、技能試験と日本語試験ではそれぞれ異なる条件が設けられています。
では、具体的にどのような条件を満たせば、試験免除の対象となるのでしょうか。
ここでは、技能実習2号の良好な修了を証明する書類や、技能試験・日本語試験それぞれの免除条件について詳しく解説します。
「良好に修了」の意味と確認書類
出入国在留管理庁の運用要領では、技能実習2号を良好に修了したと認められるための条件が定められています。
それには技能実習を2年10か月以上修了し、さらに次のいずれかを満たす必要があります。
- 第2号技能実習計画の目標である技能検定3級、またはこれに相当する技能実習評価試験(専門級)の実技試験に合格している
- 実技試験には合格していないが、実習実施者が出勤状況や修得状況、生活態度などを記した評価に関する書面により、良好に修了したと認められる
確認書類は、前者なら実技試験の合格証明書の写し、後者なら技能実習生に関する評価調書(参考様式第1-2号)が必要です。
受け入れる企業が元の実習実施者で、過去1年以内に技能実習法の改善命令を受けていなければ、これらの書類は省略できます。
技能試験が免除される「関連性」の見方
技能試験が免除されるのは、技能実習2号で修了した職種・作業と、特定技能1号で従事する業務に関連性が認められる場合です。
この関連性は、職種名が似ているかどうかではなく、出入国在留管理庁が公表している対応表や分野別の運用要領に基づいて判断されます。
たとえば、介護分野では「介護職種・介護作業」、外食業分野では「医療・福祉施設給食製造職種」が対応しています。一方、婦人子供服製造職種は、この2分野の対応職種には含まれません。
そのため、技能試験の免除対象となるかどうかは、技能実習で修了した職種・作業と、移行先の業務区分を照らし合わせて確認することが重要です。
日本語試験の免除と例外になる分野
技能実習2号を良好に修了していれば、原則として職種・作業にかかわらず、日本語能力試験(N4以上)や国際交流基金日本語基礎テストが免除されます。
ただし、介護分野、自動車運送業分野、鉄道分野では、追加の日本語能力要件が設けられているため注意しましょう。
介護分野では、介護職種・介護作業の技能実習2号を良好に修了した人を除き、別途「介護日本語評価試験」に合格しなければなりません。
また、自動車運送業分野のタクシー運転者・バス運転者と、鉄道分野の運輸係員には、N3以上の日本語能力が求められます。
そのため、技能実習2号を良好に修了していても、試験などで日本語能力を証明することになります。
なお、自動車運送業分野のタクシー・バス運転者と鉄道分野の運輸係員については、2027年4月1日以降の在留資格認定証明書交付申請から、日本語能力の要件が「B1相当以上」に変更されます。
在留資格変更許可申請や在留期間更新許可申請への適用時期は、現在検討中です。
出典:出入国在留管理庁|日本語能力水準「B1相当以上」の確認開始時期について
特定技能1号の試験が免除にならないケースと採用前の確認手順

特定技能1号の試験免除には一定の条件があり、すべての候補者が対象になるわけではありません。
また、試験が免除される場合でも、採用にあたって確認すべき要件があります。
では、どのような場合に試験が必要となり、採用前には何を確認すればよいのでしょうか。
ここでは、試験免除の対象とならないケースと、採用前に押さえておきたい確認事項について解説します。
技能試験や日本語試験が必要になるケース
| 候補者の状況 | 技能試験 | 日本語試験 |
|---|---|---|
| 技能実習2号を良好に修了し、職種・作業が業務と関連する | 免除 | 免除 |
| 技能実習2号を良好に修了したが、職種・作業が業務と関連しない | 受験が必要 | 原則免除 |
| 良好な修了を確認できない、または技能実習2号を経ていない | 原則受験が必要 | 原則受験が必要 |
職種・作業が業務と関連しない人は、働きたい分野の技能試験に合格する必要があります。
対応表では、自動車運送業、物流倉庫、資源循環の3分野に対応する職種・作業が「該当なし」とされており、これらの分野には技能試験の免除に当たる職種がありません。
良好な修了を確認できない人や技能実習2号を経ていない人は、原則として両方の試験で水準を示します。
介護分野の介護福祉士養成施設の修了者のように、分野ごとに別の免除や評価方法が定められている場合もあります。
免除でも確認が必要な要件と採用前の進め方
試験が免除されるのは、技能水準と日本語能力の確認だけです。
18歳以上であること、健康状態が良好であること、特定技能1号での通算在留期間が原則5年に達していないことなどは、免除を使う場合も別に確認されます。
実習中の人は、計画を修了するまで原則として特定技能への変更が認められません。
採用前の進め方は、次の3段階に分けると確認漏れを防げます。
- 技能実習の職種・作業と修了時期、合格証明書または評価調書の有無を候補者に確かめる
- 受入れ予定の分野と業務区分を対応表と運用要領に照らし、技能試験の免除の可否を判断する
- 介護、タクシー・バス運転者、鉄道の運輸係員は、日本語の追加要件を確かめる
免除に当たるか迷うときは、申請前に地方出入国在留管理局へ相談してください。
特定技能1号の試験免除に関するよくある質問

特定技能の試験免除について、採用担当者からよく寄せられる質問をまとめました。
判断に迷いやすいポイントを中心に解説します。
帰国した元技能実習生にも試験免除は使えますか?
はい、帰国した元技能実習生も試験免除の対象になります。
日本国内にいる人と同様に、技能実習2号を良好に修了していれば、原則として日本語試験が免除されます。
ただし、技能試験の免除には、技能実習で修了した職種・作業と特定技能で従事する業務との関連性が必要です。
実習先から評価調書をもらえない場合はどうなりますか?
評価調書を提出できない場合は、代わりの書類で対応できる可能性があります。
具体的には、提出できない理由を説明する理由書と、当時の技能実習指導員などが作成した実習状況に関する文書を用意。
これらの資料から、技能実習の良好な修了が認められる場合もあります。まずは地方出入国在留管理局に相談しましょう。
試験に合格する前に雇用契約や内定を出してもよいですか?
はい、試験に合格する前でも雇用契約の締結や内定を出すことは可能です。
原則として試験合格後の契約が想定されていますが、契約後の受験や合格前の内定も認められています。
ただし、実際に受け入れるには、必要な試験に合格していることが条件となります。
特定技能の試験免除は候補者ごとの確認で見極める
特定技能1号の試験免除を受けるには、技能実習2号を良好に修了していることが基本条件となります。
ただし、技能試験と日本語試験では免除の条件が異なるため、それぞれの要件を正しく理解しておくことが前提。
採用を進める際は、技能実習の修了状況や職種・作業、特定技能で従事する業務との関連性を確認し、試験免除の対象となるかを判断しましょう。
候補者の試験免除の判断や、特定技能外国人の採用手続きでお困りの際は、医療介護ネットワークへお気軽にお問い合わせください。