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物流業の人手不足は特定技能で解決できる?倉庫業・運送業の受け入れ条件を解説

物流業界では、慢性的な人手不足が続いています。
特にトラックドライバーや倉庫作業員の確保は年々難しくなっており、2024年の時間外労働規制の適用(いわゆる「2024年問題」)をきっかけに、その影響はさらに顕在化しています。

こうした状況のなかで注目されているのが特定技能制度です。
特定技能とは、2019年4月に創設された在留資格で、人手不足が深刻な分野において一定の専門性・技能を有する外国人材を受け入れることを目的としています。

では、物流業界では倉庫業や運送業(トラック・バス)で外国人材を受け入れることは可能なのでしょうか。

本記事では、物流業界の人手不足の現状を整理したうえで、特定技能制度の概要、倉庫業・運送業での活用可否や受け入れ条件について、制度に基づく情報をもとに解説します。

物流業の人手不足が深刻化している背景

2024年問題による影響

2024年4月から、トラックドライバーにも時間外労働の上限規制が適用されました。
働き方改革関連法に基づき、時間外労働は原則として年間960時間までと定められています。

これにより、長時間労働を前提としていた輸送体制の見直しが必要となりました。
輸送能力の低下や配送遅延のリスクが指摘されており、国土交通省も対策の重要性を示しています。

一方で、労働時間が制限されても荷物量自体は減少していません。
そのため、従来と同じ輸送量を維持するには、より多くの人材確保が求められている状況です。

倉庫業・運送業で人材が集まりにくい理由

物流業界の人手不足の背景には、以下の要因があります。

少子高齢化による労働人口の減少
長時間労働のイメージ
体力的負担の大きさ
若年層の就業希望の減少

特にドライバー職は高齢化が進み、将来的な担い手不足が懸念されています。
倉庫業でも、繁忙期の作業負担や労働条件の課題から、安定的な人材確保が難しい企業が少なくありません。

人手不足が続いた場合のリスク

人手不足が解消されない場合、企業には次のような影響が考えられます。

受注制限や配送エリアの縮小
従業員の負担増加による離職
サービス品質の低下
取引先との関係悪化

物流は社会インフラの一部であるため、人材確保は単なる経営課題にとどまらず、事業継続に直結する重要なテーマです。

物流業で特定技能は活用できる?

特定技能制度とは

物流業界での慢性的な人手不足を背景に、特定技能制度を活用した外国人材の受け入れが注目されています。特定技能とは、2019年4月に創設された在留資格で、人手不足が深刻な分野で一定の専門性や技能を持つ外国人材を受け入れることを目的としています。

この制度では、特に「特定技能1号」が中心で、物流業界では現時点で2号に対応する業務は設定されていません。

物流分野は対象になるのか

物流業界で特定技能の対象となるのは、主に倉庫業と運送業(トラック・バス)です。
ただし、「物流」という独立した分野は存在せず、業務ごとに受け入れ条件が定められています。

倉庫業:仕分け、梱包、入出庫管理など現場作業が対象
運送業:トラックドライバーとして荷物を配送する業務が対象(資格や経験などの条件あり)

制度の範囲や条件を理解したうえで活用を検討することが重要です。

倉庫業・運送業で特定技能外国人を受け入れるには

物流業で特定技能外国人を受け入れる場合、倉庫業と運送業では業務内容や受け入れ条件に違いがあります。
まず、それぞれの業務で外国人が従事できる範囲を理解しておくことが重要です。

倉庫業で認められる業務内容

倉庫業では、特定技能外国人が携われるのは現場作業が中心です。
具体的には以下のような業務があります。

①入出庫作業や荷物の仕分け
②梱包作業、ピッキング業務
③在庫管理や棚卸しの補助作業

これらの業務は、現場で即戦力として活躍できることが求められます。
また、作業手順や安全管理の指導を受けながら働くことになるため、受け入れ体制を整えておくことが重要です。

運送業(トラック・バス)での受け入れ条件

運送業における特定技能外国人の受け入れは、ドライバー職が中心です。
受け入れには、以下の条件があります。

✔業務に必要な運転免許(中型・大型など)を保持していること
✔安全運転や業務連絡を理解できる日本語能力があること
✔過去の運転経験や健康状態など、制度上の基準を満たすこと

特に運送業では、安全管理が最優先されるため、資格や経験の確認は必須です。

導入時に注意すべき制度ポイント

特定技能外国人を受け入れる際は、制度上のポイントも押さえておく必要があります。

・対象業務や在留期間は法律で定められており、逸脱はできない
・労働条件や待遇は国内従業員と同等であることが求められる
・登録支援機関を通じて、生活面・業務面での支援を行うことが望ましい

これらのポイントを理解し、企業側で受け入れ体制を整えることで、外国人材の定着や業務効率の向上につながります。

特定技能外国人を受け入れるメリットと成功のポイント

物流業界で特定技能外国人を受け入れることは、企業にとって人手不足の解消だけでなく、業務効率の向上や組織の多様性の促進にもつながります。

企業側のメリット

特定技能外国人を受け入れることで、慢性的な人手不足の解消が可能になり、現場の業務が安定化します。
また、即戦力として現場で活躍できる人材を確保できるため、作業効率も向上します。
さらに、多様なバックグラウンドを持つ人材の受け入れにより、チームの柔軟性や対応力も高まります

定着させるために重要な支援体制

長期的に外国人材が活躍するためには、受け入れ後の支援体制が欠かせません。
生活面では住居や生活環境のサポートを提供し、業務面では日本語や作業の指導を継続的に行います。
さらに、メンターや相談窓口を設置することで、悩みや困りごとに対応できる体制を整えることが重要です。
こうした体制が整えば、離職率の低下や企業全体の業務効率向上につながります。

登録支援機関の役割

登録支援機関は、特定技能外国人の受け入れをサポートする専門機関です。
具体的には、行政手続きや受け入れ準備の代行、生活・業務面での支援、企業と外国人材双方への指導・調整を行います。
専門機関を活用することで、物流企業は安心して外国人材を受け入れることが可能になります。

まとめと受け入れに向けたステップ

物流業界の人手不足は今後も続くことが予想されます。

特定技能制度を活用することで、必要な人材を確保し、業務の安定化や効率向上を図ることが可能です。
ただし、制度の理解や受け入れ体制の整備が十分でないと、外国人材が定着しづらくなるため注意が必要です。

企業が受け入れを検討する際は、まず自社で必要とする業務範囲や条件を明確にし、生活面や業務面の支援体制を整えることが重要です。
さらに、登録支援機関など専門機関のサポートを活用することで、行政手続きや受け入れ準備、日常的な相談対応を効率的に進めることができます。

こうした体制を整えることは、単なる労働力の確保にとどまらず、組織の柔軟性や対応力を高めることにもつながります。
特に制度の活用経験が豊富な機関の支援を受けることで、企業は安心して特定技能外国人を受け入れることが可能です。

医療介護ネットワーク では、物流分野における特定技能外国人の受け入れについてもサポートが可能です。

生活面や業務面の支援体制の構築から、登録支援機関との調整まで、企業ごとに最適な体制づくりを支援します。
まずはお気軽に ご相談 いただき、自社に合った支援体制の検討を一緒に始めましょう。