特定技能制度のメリット・デメリットを解説!受け入れ企業が知るべきポイント

医療介護ネットワークのコラムにご訪問いただき、ありがとうございます。
特定技能制度は、うまく導入できれば企業にとってメリットが多い制度です。
ただその分、始めてから「想像よりやることが多い…」となりやすいポイントもあり、事前に心づもりしておくことが大切になります。
今回は、特定技能導入で得られる強みと、導入前に押さえておきたい注意点を中心にお伝えしていきます。
特定技能導入メリット:企業が得られる4つの強み

特定技能制度は「人手不足を補うための制度」という印象を持たれることが多いですが、実際には企業にとってそれ以上の価値をもたらす仕組みです。
特に介護・製造・外食・宿泊など、慢性的に採用が難しい業種では、長期的な人材戦略を考えるうえで欠かせない選択肢になりつつあります。
では、企業が得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、その強みを4つに整理してご紹介します。
①人手不足の即戦力確保が可能
特定技能制度の最大のメリットは、深刻な人手不足を補う「即戦力」人材を採用できることです。
たとえば介護や製造業などでは、慢性的な人手不足が長年の課題。求人を出しても応募が集まらず、現場の負担が増えている企業も少なくありません。
特定技能人材は、あらかじめ日本語試験と技能試験に合格しているため、入社後すぐに現場で活躍できるレベルを備えています。
さらに、技能実習を終えて特定技能に移行した人も多く、すでに日本での生活やマナーに慣れている点も安心材料です。
結果的に、採用の即戦力化だけでなく、離職による採用コスト削減や現場の安定稼働にもつながります。
②受け入れ人数の制限が少ない(※一部分野を除く)
特定技能制度では、企業ごとの受け入れ人数枠が原則として設けられていません。
そのため、自社の体制を整えれば、現場に必要な人数を比較的柔軟に確保することができます。
ただし、介護分野では「日本人等の常勤介護職員の総数まで」、建設分野では「受入企業の常勤職員数まで」といった上限が定められています。
このように一部の分野を除けば、製造業や宿泊業などでは人数制限がなく、必要に応じた採用が可能です。
つまり、特定技能制度は「事業計画に合わせて必要な人材を安定的に確保しやすい」という点で、企業運営の自由度が高い仕組みといえます。
③日本語・技能水準をクリアした人材を採用できる
特定技能1号として働く外国人は、日本語能力試験(N4相当)と各分野の技能評価試験に合格しています。
つまり、最低限の日本語でのコミュニケーションができ、現場の作業内容も理解できるレベルが担保されているということです。
介護でいえば「介護日本語評価試験」と「介護技能評価試験」の両方に合格しており
ただの見習いではなく、一定の知識と責任を持って業務を行える人材です。
このため、「教育コストを抑えつつ、安定した品質でサービスを提供できる」ことが大きな利点となります。
④職場のグローバル化/人材多様化によるメリット
特定技能人材の受け入れは、単なる労働力補充にとどまりません。
職場に多様な文化や価値観が加わることで、チーム全体のコミュニケーション力や柔軟性が向上します。
とくに介護やサービス業など「人と接する仕事」では
異文化コミュニケーションを通して、利用者との関係構築力や思いやりの表現が磨かれるケースも多いです。
また、外国人スタッフの真面目さ・勤勉さに刺激を受け、日本人社員のモチベーションアップにつながるという声も多数あります。
多様性が自然に根づいていくことで、社内の雰囲気や企業文化がよりいきいきとしてきて、結果として「働きやすい職場づくり」にもつながっている——そのようなお声をいただくこともございます。
導入デメリット:企業が押さえておくべき3つの課題

特定技能は企業に多くのメリットをもたらしますが、導入にあたっては事前に押さえておきたい課題も存在します。
とくに、制度を初めて利用する企業では、「どのタイミングで何を準備すべきか」「必要な書類や確認事項はどれか」といった情報整理に時間がかかることが少なくありません。
また、現場の社員が外国人材の受け入れに慣れていない場合、社内の理解不足によって支援方法が属人的になったり、担当者だけに負担が集中してしまうケースもあります。
ここでは特定技能を導入する上で気を付けるべきポイントをご紹介します。
①支援義務・管理業務の増加
特定技能1号の外国人を受け入れる企業は、生活や就労に関する支援を行うことが法律で義務づけられています。
たとえば、住居探しのサポート、日本語学習の機会提供、行政手続きの同行、生活オリエンテーションなど。
これらを怠ると、監督官庁から指導や改善命令を受ける可能性もあります。
特に中小企業では、こうした業務負担が想定以上になるケースも多く、本業との両立が難しいという声も。
ただし、登録支援機関に委託すれば、これらの支援業務を代行してもらうことができます。
信頼できる支援機関を選ぶことが、スムーズな運用の鍵になります。
②転職リスクや定着化への課題
特定技能1号では、一定条件を満たせば本人の希望で転職が可能です。
これは労働者の権利として大切な仕組みですが、企業にとっては「せっかく育てた人材が他社へ移ってしまう」リスクにもなります。
特に待遇や職場環境が他社より劣っていると、定着率が下がる傾向があります。
そのため、給与だけでなく、働きやすい職場づくりや人間関係のケアが重要です。
たとえば、外国人スタッフの相談窓口を設けたり、日本人社員との交流会を開いたりすることで、安心して長く働ける環境が整います。
「採用したら終わり」ではなく、採用後のフォローアップ体制が定着化のカギとなることを意識するのも人材定着のポイントとなりえるでしょう。
③給与・待遇が日本人同等以上という義務とコスト増
特定技能外国人は、法律で「日本人と同等以上の報酬」を支払うことが義務付けられています。
つまり、最低賃金ギリギリではなく、同じ職種・業務を行う日本人と同水準の給与を設定しなければなりません。
また、住居手配や生活支援に関する費用も一部企業負担となるケースがあり、初期コストが思ったよりかかるという声もあります。
ただし、これを「コスト」ではなく「投資」と捉えれば、安定した人材確保・離職率低下・現場の生産性向上といったリターンにつながることも多いです。
長期的な視点で人材育成を考える企業ほど、この制度をうまく活用しています。
特定技能導入をスムーズに進めるための実践ポイント

ここまで見てきた通り、特定技能は企業にとって心強い制度である一方、導入にあたっては検討事項が多く、情報を整理するだけでも時間がかかりやすい側面があります。
特に初めて取り組む場合は、社内で判断すべきポイントと外部のサポートを使った方が早い領域が混在しやすく、進め方が曖昧なままになってしまうケースも少なくありません。
まずは「やること」を見える化し、段取りを整える
スムーズに進めるための第一歩は、最初に「やること」を見える化して段取りを整えることです。
たとえば受け入れ前に確認が必要な事項をチェックリスト化し、関係者(人事・現場・経営層)の役割分担を決めておくだけでも、手戻りや迷いは大きく減ります。
加えて、受け入れ後に現場で起こりやすい小さなつまずき(説明の伝え方、相談の受け皿、フォローのタイミングなど)を想定し、先回りして準備しておくと、定着面でも差がつきやすくなります。
とはいえ、こうした段取りの設計を自社だけで完璧に進めようとすると、どうしても時間と労力がかかってしまいます。
そのため、スムーズに進めたい企業様ほど、早い段階で外部のサポートも上手に取り入れる、という判断をされることが多い印象です。
まとめ
特定技能制度は、導入できれば大きな力になりますが、実際には「何をどの順番で進めるか」「社内でどこまで対応するか」といった設計の部分で迷いやすい制度でもあります。
だからこそ、最初の段階で情報を整理し、無理のない進め方を整えておくことが、結果的にスムーズな導入と定着につながります。
医療介護ネットワークでは、制度の整理から導入に向けた段取りづくりまで、企業様の状況に合わせて一緒に進めるご相談が可能です。
初めての特定技能で不安がある場合も、現状を共有いただければ「今やるべきこと」が見えやすくなりますので、まずはお気軽にご相談ください。