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物流倉庫で人手不足が起きる理由とは?主な原因と対策を解説

物流倉庫で人手不足が起きる理由

医療介護ネットワークのコラムをご覧いただきありがとうございます。

「求人を出しているのに応募が来ない」「せっかく採用しても長く続かない」など、物流倉庫の人材確保に悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
通販物流の拡大によって倉庫の仕事量が増える一方、少子高齢化による働き手の減少も進んでおり、人手不足は採用条件を少し変えるだけでは解決しにくい課題になっています。

では、物流倉庫の人手不足を改善するために、企業は何から取り組めばよいのでしょうか。

この記事では、物流倉庫で人手不足が起きる理由と、現場で取り組める具体的な対策をわかりやすく解説します。
さらに、新たな人材確保の選択肢として注目される外国人材の活用や、特定技能「物流倉庫分野」の最新動向についてもご紹介します。
採用方法や今後の人員体制を見直したい方は、ぜひ参考にしてください。

物流倉庫の人手不足はどれくらい深刻なのか

物流倉庫の人手不足が深刻

物流倉庫の人手不足は、単に「採用しにくい」というだけの問題ではありません。求人を出しても応募が集まらないケースに加え、採用できても早期離職によって人員が定着しないケースもあります。

また、立地や勤務時間、周辺企業との競争状況などによって、抱えている課題は現場ごとに異なります。

ここでは、物流倉庫の人手不足で特に問題になりやすい「応募が集まらないこと」と「採用後に定着しないこと」の2つに分けて見ていきます。

求人を出しても応募が集まらない現場の実態

物流倉庫の求人は、フォークリフトや検品といった専門性を伴う業務と、ピッキングや梱包のような比較的未経験でも始めやすい業務が混在しているため、求人票の書き方一つで応募数が大きく変わります。

とはいえ、近隣の工場やコールセンターなど他業種との時給競争が激しく、待遇面で見劣りすると応募自体が集まりにくい状況が続いています。
加えて、深夜や早朝のシフトが必要な現場では、生活リズムの制約から応募できる層がそもそも限られてしまうデメリットも。

求人を出す前に、どの時間帯にどれだけの人員が必要なのかを棚卸しし、無理のないシフト設計に見直すことも、応募数を左右する重要な要素です。
求人票に業務内容や一日の流れを具体的に書き込むだけでも、応募前の不安を減らし、応募数の底上げにつながることがあります。

採用しても定着せず離職が続く問題

応募者を確保できても、採用後に人材が定着しなければ、人手不足の根本的な解消にはつながりません。

倉庫業務は、立ち仕事や荷物の持ち運びなど身体的な負担が生じることがあります。また、繁忙期には仕事量が増えるなど、時期によって業務負担が変わりやすい点も特徴です。

こうした仕事内容や勤務条件について、入社前のイメージと実際の現場に差があると、早期離職につながる可能性も。
人材が短期間で離職すると、そのたびに採用や教育をやり直す必要があるため、かえって既存スタッフの負担も増えてしまいます。

定着率を高めるためには、入社後のフォロー体制を整えることに加え、仕事への習熟度や成長を適切に評価できる仕組みをつくることも大切です。特に入社直後は、仕事や職場の人間関係に慣れていない時期。
定期的に声をかけたり、困っていることがないか確認したりするなど、安心して働ける環境を整えることが早期離職の防止につながります。

物流倉庫で人手不足が起きる主な理由

物流倉庫で人手不足が起きる主な理由

物流倉庫の人手不足は、一つの原因だけで起きているわけではありません。

EC市場の拡大によって扱う荷物が増える一方、少子高齢化によって働き手は減少しています。さらに、「体力的にきつそう」「働く環境が厳しそう」といった倉庫業務へのイメージが、応募をためらう要因になることもあります。
こうした複数の要因が重なっているため、自社の人手不足がなぜ起きているのかを整理したうえで対策を考えることが大切です。

ここでは、物流倉庫で人手不足が起きる主な理由を3つに分けて見ていきます。

EC市場の拡大によって物流量が増えている

インターネット通販が身近になったことで、物流倉庫で扱う荷物の量も増えています。

たとえばEC業界。
ECの仕事は一度に大量の商品を運ぶだけではありません。
個人からの注文に合わせて商品を一つずつ集め、梱包して発送する作業が多く発生します。そのため、注文数が増えるほど、ピッキングや検品、梱包などの庫内作業も増えていきます。

また、近年は注文から発送までのスピードも求められるようになり、限られた人員でより多くの荷物を正確に処理しなければならない現場も増えています。
物流量の増加に人材確保が追いつかなければ、既存スタッフの残業や休日出勤が増える原因にもなります。今後も一定の物流量を見込むのであれば、人を増やすだけでなく、業務の効率化を含めた体制づくりが必要です。

労働環境に対するイメージから応募が集まりにくい

倉庫の仕事には、長時間の立ち仕事や荷物の持ち運びなど、身体への負担が大きい作業もあります。

さらに、倉庫によっては夏や冬の温度管理が難しかったり、早朝・深夜の勤務が必要だったりするため、求職者から「大変そうな仕事」というイメージを持たれることもあります。
仕事内容に対して給与や待遇が見合っていないと感じられれば、他業種の求人と比較した際に応募先として選ばれにくくなるでしょう。

一方で、現在は自動搬送機や各種システムの導入によって、以前より身体的な負担が軽くなっている物流倉庫もあります。
こうした改善が求職者に伝わっていないケースもあるため、求人では仕事内容だけでなく、設備や職場環境についても具体的に伝えることが重要です。写真や動画を活用して実際の現場を見せることも、応募前の不安を減らす方法の一つです。

少子高齢化によって働き手が減っている

少子高齢化による労働人口の減少も、物流倉庫の人手不足を深刻にしている大きな要因です。

倉庫業界だけでなく、製造業や建設業、介護業界など多くの分野で人材不足が課題となっており、地域によっては限られた求職者をさまざまな企業が取り合う状況になっています。

また、長年現場を支えてきた従業員の高齢化が進めば、重量物の運搬など体力を必要とする業務を担当できる人材が減っていく可能性も。
こうした人口構造の変化は、一企業の採用努力だけで解決することが難しい問題です。
そのため、業務の自動化や省人化を進めるほか、シニアや子育て中の方、外国人材など、これまでとは異なる層にも採用対象を広げていくことが重要になります。

物流倉庫が今から取り組める人手不足対策

物流倉庫が今から取り組める人手不足対策

物流倉庫の人手不足にはさまざまな原因が考えられます。
そのため、一つの方法だけで解決しようとするのではなく、複数の対策を組み合わせて進めることが大切です。

たとえば、設備を導入して作業を効率化する方法もあれば、働きやすい環境づくりや採用方法の見直しなど、比較的始めやすい取り組みも。
とはいえ、すべてを一度に進める必要はありません。まずは、自社の現場で特に負担が大きい部分や、人手不足の原因になっている部分から優先的に見直していきましょう。

ここでは、倉庫が取り組みやすい人手不足対策を3つ紹介します。

庫内作業を自動化・省人化する

搬送や仕分けの一部を機械に任せることで、限られた人員でも処理できる物量を増やすことができます。
代表的な取り組みには、以下のようなものがあります。

  • 自動搬送機やコンベヤによる庫内動線の短縮
  • ピッキングを支援するデジタルアシスト機器の導入
  • 在庫管理システムによる棚卸しや入出庫データの自動化
  • 検品作業へのハンディターミナルやバーコード読み取りの活用

大規模な設備を一度に導入するのが難しい場合は、在庫管理システムやハンディターミナルなど、比較的取り入れやすいものから始める方法もあります。
自動化や省人化は、人の仕事をすべて機械に置き換えるためのものではありません。スタッフの身体的な負担を減らし、限られた人員でも無理なく業務を続けられる環境を整えることが目的です。

労働環境や評価制度を見直す

人材を採用するだけでなく、長く働いてもらえる環境を整えることも重要です。

たとえば、空調設備や休憩スペースを改善したり、重量物を扱う現場でアシストスーツを導入したりすることで、身体への負担を軽減できます。
また、経験やスキルに応じて給与や役割が上がる仕組みを設けることも、働き続けるモチベーションにつながります。

そのほか、繁忙期に特定のスタッフへ負担が集中しないよう、シフトや業務量を見直すことも大切。労働環境の改善はすぐに大きな効果が出るとは限りませんが、小さな改善を積み重ねることで働きやすさが高まり、結果として人材の定着につながるからです。

採用する人の幅や募集方法を見直す

求人を出しても応募が集まらない場合は、これまで採用対象としてきた人だけでなく、幅広い層に目を向けることも大切です。

たとえば、短時間勤務や週数日のシフトを用意すれば、子育て中の方や副業を希望する人も応募しやすくなります。

また、身体的な負担が少ない作業を切り分けることで、シニア層に働いてもらう方法も。
さらに、外国人材の受け入れも、人手不足対策の選択肢の一つです。

採用の方法 対象となる層 ポイント
求人媒体・ハローワーク 幅広い年齢層 即効性はあるが競合が多い
短時間・週数日勤務の求人 子育て中の方や副業希望者 シフトの柔軟性が応募の決め手になる
シニア向け軽作業求人 定年後も働きたい層 体力負担の少ない業務の切り出しが前提
外国人材の受け入れ 就労を希望する外国人 制度理解と受け入れ体制の整備が必要

まずは、自社の倉庫で「どの仕事なら勤務時間を短くできるか」「どの作業なら経験や体力を問わず担当できるか」を整理してみましょう。採用する人の幅を広げ、それぞれが働きやすい条件を整えることで、新たな人材の確保につながる可能性があります。

外国人材の活用という選択肢と特定技能制度の動き

外国人材の活用という選択肢と特定技能制度の動き

物流倉庫の人手不足対策として、外国人材の採用を検討する企業も増えています。
その中で注目されているのが、一定の技能を持つ外国人が日本で働くための在留資格「特定技能」です。

これまで特定技能は、介護や建設、製造業などを対象としてきましたが、新たに物流倉庫分野も対象に加わることが決まりました。
今後、倉庫業界でも外国人材を採用する選択肢が広がると考えられます。

ここでは、国土交通省などが公表している情報をもとに、物流倉庫分野の特定技能が現在どのような段階にあるのか、企業が受け入れ前に確認しておきたいポイントとあわせて解説します。

特定技能に「物流倉庫分野」が新たに追加

国土交通省によると、物流倉庫分野は2026年1月23日の閣議決定により、特定技能の対象となる「特定産業分野」に新たに追加されました。
対象として想定されているのは、倉庫内で行う次のような業務です。

  • 貨物の入出庫
  •  保管
  •  仕分け
  • ピッキング
  • 梱包
  • 検品
  • 棚卸し
  • ハンディターミナルを使った在庫データの入力など

制度の本格的な運用は2027年4月ごろの開始が見込まれており、現在は技能評価試験や受け入れに関するルールなどが整備されている段階です。そのため、現時点ですぐに特定技能外国人を物流倉庫分野で採用できるわけではありません。

将来的な受け入れを検討している企業は、制度が始まってから慌てることがないよう、今のうちから対象業務や受け入れ条件を確認しておくとよいでしょう。

受け入れ前に確認しておきたいポイント

物流倉庫分野で特定技能外国人を受け入れるためには、一定の条件を満たす必要があります。

国土交通省の資料では、入庫管理・在庫管理・出庫管理の機能を持つ情報システムを利活用していることや、派遣ではなく直接雇用で受け入れることなどが条件として示されています。

また、事務作業や清掃だけを担当させるなど、物流倉庫業務とは関係のない仕事のみを任せることはできない見込みです。
受け入れを検討する場合は、特に次の点を確認しておきましょう。

  • 自社で行っている業務が対象業務に該当するか
  • 在庫管理システムを導入しているか
  • 日本人従業員と同等以上の待遇を用意できるか
  • 直接雇用できる体制を整えられるか

制度はこれから本格的に始まるため、今後ルールが追加・変更される可能性もあります。実際に受け入れを進める際は、出入国在留管理庁や国土交通省が公表する最新情報を確認することが大切です。

 

外国人材の採用に迷ったら専門機関への相談も

特定技能外国人を採用する場合は、在留資格だけでなく、対象業務や雇用条件、外国人への支援など、確認しなければならないことが多くあります。

特に物流倉庫分野はこれから本格的に運用が始まるため、「自社でも受け入れられるのか」「今から何を準備すればよいのか」と迷う企業もあるでしょう。

私たち医療介護ネットワークでは、特定技能外国人の人材紹介や登録支援を行っています。
物流倉庫分野での外国人材採用を検討している場合も、制度の動向を確認しながら、必要な準備についてご相談いただけます。
将来的な受け入れに向けて、まず何から始めればよいか整理したいという段階でも、お気軽にお問い合わせください。

倉庫の人手不足対策は自社の課題を整理することから

物流倉庫の人手不足まとめ

倉庫の人手不足には、EC市場の拡大による物流量の増加や、少子高齢化による働き手の減少、労働環境に対するイメージなど、さまざまな要因が関係しています。

そのため、まずは自社で「応募が集まらないのか」「採用しても定着しないのか」「現場の負担が大きすぎるのか」といった課題を整理することが大切です。
そのうえで、自動化・省人化や労働環境の改善、採用する人の幅を広げるなど、自社に合った対策を組み合わせていきましょう。

今後は、外国人材の活用も人手不足対策の選択肢の一つになります。物流倉庫分野は特定技能の対象に追加されており、将来的な受け入れを検討している企業は、今のうちから制度や必要な準備について確認しておくと安心です。

特定技能外国人の採用を検討している方や、「自社でも受け入れられるのか知りたい」という企業のご担当者は、当社までお気軽にお問い合わせください。状況を伺いながら、必要な準備を一緒に整理していきましょう。