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特定活動とは?種類・働ける仕事・在留期間・採用時の注意点をわかりやすく解説

特定活動とは?種類・働ける仕事・在留期間・採用時の注意点をわかりやすく解説

医療介護ネットワークのコラムをご覧いただき、ありがとうございます。

外国人材の採用や在留資格について調べていると、「特定活動」という言葉を目にすることがあります。

特定活動とは、法務大臣が外国人一人ひとりに対して、日本で行う活動を個別に指定する在留資格です。ワーキング・ホリデーや卒業後の就職活動、特定活動46号、EPAに基づく看護師・介護福祉士候補者など、さまざまな活動が対象となります。

ただし、特定活動の在留資格があれば、誰でも日本で自由に働けるわけではありません。就労できるかどうかは、本人に指定された活動の内容によって異なります。

この記事では、特定活動とはどのような在留資格なのか、主な種類や就労条件、在留期間、特定技能との違いを分かりやすく解説します。外国人を採用する企業が確認しておきたいポイントについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

特定活動とは?在留資格の意味と特徴

在留資格の特定活動とは

特定活動とは、法務大臣が個々の外国人について、日本で認められる活動を特に指定する在留資格です。

日本には「介護」「留学」「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」など、さまざまな在留資格があり、それぞれ日本で行うことのできる活動が定められています。一方で、既存の在留資格では対応しにくい活動や、特別な制度に基づいて認められる活動もあります。こうした多様なケースに対応するために設けられているのが「特定活動」です。

出入国在留管理庁でも、特定活動を「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」と定義しています。

特定活動の大きな特徴は、同じ在留資格であっても、外国人によって認められる活動が異なることです。例えば、特定活動46号のように一定の条件でフルタイム勤務が認められる場合もあれば、卒業後の就職活動のように、原則として就労を目的としない場合もあります。

つまり、「特定活動」という在留資格名だけでは、働けるかどうかを判断できないのです。外国人本人がどのような活動を認められているのかは、原則としてパスポートに添付される「指定書」などで確認します。

特定活動では働ける?就労できる条件を解説

特定活動で日本に滞在している外国人が働けるかどうかは、指定された活動内容や資格外活動許可の有無によって決まります。大きく分けると、次の3つのケースがあります。

ケース 就労の可否
指定された活動に就労が含まれる場合 指定された仕事内容・条件の範囲で働ける
指定された活動に就労が含まれない場合 原則として働けない
資格外活動許可を受けている場合 許可された時間・仕事内容の範囲で働ける

それぞれ詳しく見ていきましょう。

指定された活動に就労が含まれる場合

特定活動のなかには、就労が認められているものがあります。代表的なのが、特定活動46号やワーキング・ホリデー、EPA看護師・介護福祉士候補者などです。

ただし、就労が認められていても、すべての仕事に自由に従事できるとは限りません。例えば、特定活動46号では、一定の日本語能力や学歴などの要件を満たし、指定された活動の範囲で働く必要があります。

ワーキング・ホリデーについても、滞在費を補うための就労は認められていますが、風俗営業等の一定の業務には従事できません。そのため、就労可能な特定活動であっても、仕事内容や雇用条件が制度に適合しているか確認することが重要です。

原則として就労が認められていない場合

特定活動のなかには、就労以外の目的で日本に滞在する制度もあります。例えば、大学等を卒業した留学生が引き続き就職活動を行うための特定活動です。

この場合、認められている主な活動は就職活動であり、在留資格を取得しただけで自由にアルバイトできるわけではありません。また、医療滞在など、そもそも働くことを目的としていない特定活動もあります。

企業が採用を検討するときは、本人の在留目的を確認し、その仕事に従事できる資格があるかを判断する必要があります。

資格外活動許可を受けている場合

本来の活動に就労が含まれていなくても、資格外活動許可を受けることで、一定の範囲で働ける場合があります。

例えば、卒業後の継続就職活動を目的とする特定活動では、資格外活動の包括許可を受けることにより、原則として週28時間以内のアルバイトが可能です。

ただし、複数の勤務先で働く場合は、すべての勤務先の労働時間を合計して制限内に収める必要があります。また、風俗営業等の業務には従事できません。

なお、資格外活動許可には、週28時間以内の包括許可のほか、活動内容などを個別に指定する許可もあります。すべての特定活動に週28時間の就労が認められるわけではない点にも注意しましょう。

参照:出入国在留管理庁|継続就職活動又は内定後就職までの在留を目的とする「特定活動」の在留資格に係る資格外活動許可について

特定活動と特定技能の違いとは?

外国人の在留資格について調べる際に、混同されやすいのが「特定活動」と「特定技能」です。名前は似ていますが、制度の目的や就労できる範囲は大きく異なります。

比較項目 特定活動 特定技能
制度の目的 法務大臣が個別に指定した活動を認める 人手不足への対応が必要な特定産業分野で外国人材を受け入れる
活動内容 指定された活動によって異なる 対象分野で認められる業務に従事する
就労の可否 就労できる場合とできない場合がある 原則として就労を目的とする
主な対象者 ワーキング・ホリデー、卒業後の就職活動、特定活動46号など 対象分野で必要な技能や日本語能力等の要件を満たす外国人
確認事項 指定書、在留カード、資格外活動許可など 在留カード、雇用契約、対象業務、受入れ要件など

例えば、特定技能1号「介護」は、介護分野で必要な技能や日本語能力などの要件を満たした外国人が、介護業務に従事するための在留資格です。一方、特定活動には、介護分野とは直接関係のない活動も数多く含まれています。

そのため、「特定活動=特定技能になる前の在留資格」ではありません。ただし、現在の在留資格が特定活動であっても、必要な条件を満たせば特定技能への変更が認められる場合があります。

特定技能で外国人を採用する予定がある企業は、それぞれの制度の違いを理解したうえで手続きを進めましょう。

特定活動には「告示特定活動」と「告示外特定活動」がある

特定活動は、一般的に「告示特定活動」と「告示外特定活動」の2種類に分けられます。どちらも在留資格は「特定活動」ですが、制度上の位置付けに違いがあります。

告示特定活動とは

告示特定活動とは、法務大臣の告示によって、対象となる活動や条件があらかじめ定められている特定活動です。代表的なものには、次のような活動があります。

主な種類 活動内容
ワーキング・ホリデー 休暇を主な目的として日本に滞在し、旅行・滞在費を補うために働く
インターンシップ 外国の大学生などが日本企業で就業体験を行う
EPA看護師・介護福祉士候補者 日本で就労・研修しながら国家資格の取得を目指す
医療滞在 日本の医療機関で治療などを受ける
特定活動46号 対象となる日本の大学等の卒業者が、日本語能力などを生かして幅広い業務に従事する
未来創造人材(J-Find) 一定の要件を満たす海外大学等の卒業者が、日本で就職活動や起業準備を行う
デジタルノマド 海外の企業等の仕事をリモートで行いながら日本に滞在する

このほかにも、家事使用人やアマチュアスポーツ選手、一定の条件を満たす長期滞在者など、多様な活動が定められています。

告示の内容は制度改正によって追加・変更されることがあるため、採用を検討する際は最新の情報を確認しましょう。

告示外特定活動とは

告示外特定活動とは、法務大臣の告示にあらかじめ定められていないものの、個別の事情などを踏まえて認められる特定活動です。

代表的なのが、大学等を卒業した留学生の継続就職活動です。ほかにも、就職先が内定した外国人が入社まで日本に滞在するケースや、一定の事情による出国準備などがあります。

告示外特定活動は、本人の状況や申請内容などを踏まえて個別に審査されます。そのため、似たようなケースで許可された人がいても、必ず同じ許可を受けられるとは限りません。

特定活動の主な種類7つを分かりやすく紹介

特定活動の主な種類と特徴

ここまで紹介したように、特定活動にはさまざまな種類があります。なかでも、外国人の採用や就職活動に関係することの多い7つの特定活動について、対象者や就労条件を詳しく見ていきましょう。

1.特定活動46号|日本の大学等を卒業した外国人の就労

特定活動46号は、対象となる日本の大学等を卒業・修了した外国人が、高い日本語能力などを生かして働くための制度です。

一定の要件を満たす日本の大学・大学院の卒業者や、認定を受けた専修学校専門課程などの修了者が対象になります。

日本語能力については、原則として次のいずれかの要件を満たす必要があります。

  • 日本語能力試験(JLPT)N1
  • BJTビジネス日本語能力テスト480点以上
  • 外国の大学で日本語を専攻して卒業したことなど、制度上認められる要件

また、常勤で雇用されることや、日本人が同じ仕事に従事する場合と同等額以上の報酬を受けることなども求められます。

特定活動46号の特徴は、一般的な在留資格「技術・人文知識・国際業務」では認められにくい現場業務についても、一定の条件で従事できる点です。例えば、飲食店やホテル、小売店などで、日本語を用いた接客に加え、通訳や店舗管理、商品管理などの業務を担当するケースが考えられます。

ただし、清掃や皿洗いなど、日本語を用いたコミュニケーションや大学等で学んだ知識を生かす活動を伴わない作業だけに従事することは認められません。

制度の対象となる学歴や仕事内容には細かな要件があるため、採用前に確認しましょう。

2.ワーキング・ホリデー|休暇を過ごしながら働く

ワーキング・ホリデーは、対象となる国・地域の若者が、日本の文化や生活を体験しながら一定期間滞在する制度です。主な目的は休暇ですが、日本での旅行や滞在に必要な費用を補うために働くことも認められています。

飲食店や宿泊施設、小売店などで働くケースもありますが、風俗営業等の業務には従事できません。また、滞在できる期間や対象年齢などは、相手国・地域との取り決めによって異なります。

企業がワーキング・ホリデーの外国人を採用する場合は、就労が認められる範囲と在留期限を確認することが重要です。

3.卒業後の継続就職活動|就職先が決まるまでの滞在

日本の大学等を卒業した留学生が、卒業後も日本で就職活動を続けたい場合、一定の要件を満たせば「留学」から「特定活動」へ変更できることがあります。

一般的には、卒業した教育機関からの推薦状があることや、在留状況に問題がないことなどが条件です。通常は6か月の在留期間が認められ、原則として1回更新できるため、最長1年間就職活動を続けられます。

なお、所定の地方公共団体の就職支援事業に参加する場合など、別途定められた要件を満たすことで、さらに就職活動のための在留が認められる制度もあります。

また、資格外活動許可を受ければ、原則週28時間以内のアルバイトが可能な場合もあります。ただし、継続就職活動を目的とする特定活動のまま、就職先で自由にフルタイム勤務を始められるわけではありません。

就職が決まった場合は、仕事内容に応じた在留資格への変更を検討する必要があります。

4.内定後から入社までの滞在|就職が決まった外国人の待機期間

日本の大学や専門学校などを卒業した外国人が、就職先の内定を得ていても、卒業から入社まで期間が空くことがあります。このような場合、一定の要件を満たすことで、内定後から就職までの滞在を目的とする特定活動が認められることがあります。

ただし、内定後の待機を目的とした特定活動と、実際に入社して働くための在留資格は別に考える必要があります。

例えば、入社後の業務が「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」に該当する場合には、必要な在留資格変更の手続きを進めます。採用する企業も、入社予定日までに適切な在留資格を取得できるよう、余裕を持って準備することが大切です。

5.インターンシップ|日本企業で就業体験を行う

海外の大学に在籍する学生が、日本企業で就業体験を行う場合にも、特定活動が利用されることがあります。

特定活動のインターンシップは、主に外国の大学に在籍する学生が、教育課程の一環として日本企業などで実習する制度です。報酬を受けるインターンシップなどが対象となり、大学での専攻との関連性や受入れ期間など、所定の条件を満たす必要があります。

一般的なアルバイトや、人手不足を補うための雇用とは制度の目的が異なります。受入れ企業は、実習内容や大学との関係、契約内容などが要件に適合しているかを確認しましょう。

6.EPA看護師・介護福祉士候補者|国家資格の取得を目指す

EPA看護師・介護福祉士候補者も、特定活動に含まれます。

EPAとは「経済連携協定」のことで、日本ではインドネシア、フィリピン、ベトナムとの枠組みに基づいて看護師・介護福祉士候補者の受入れを行っています。

候補者は、日本の病院や介護施設などで就労・研修を行いながら、看護師または介護福祉士の国家資格取得を目指します。

医療・介護分野では、EPA以外にも「特定技能」や在留資格「介護」などによって働く外国人がいます。例えば、介護分野で働く外国人でも、次のように制度が異なります。

在留資格・制度 主な特徴
特定活動(EPA介護福祉士候補者) EPAの枠組みに基づき、就労・研修をしながら介護福祉士国家資格の取得を目指す
特定技能1号(介護) 所定の技能・日本語能力などの要件を満たし、介護分野で働く
在留資格「介護」 介護福祉士の資格を有し、所定の契約に基づいて介護等の業務に従事する

同じ介護施設で働く外国人でも、在留資格によって必要な手続きや就労条件が異なるため、受入れ企業は制度ごとの違いを理解しておく必要があります。

7.デジタルノマド|海外の仕事をリモートで行う

デジタルノマドも、特定活動のひとつです。海外の企業などとの雇用契約に基づく仕事や、海外の顧客向けの仕事をオンラインで行いながら、日本に一定期間滞在する外国人を対象としています。

主な要件には、対象となる国・地域の国籍等を有することや、年収1,000万円以上、所定の医療保険への加入などがあります。

在留期間は6か月で、更新は認められません。また、日本の企業などとの雇用契約に基づいて働くことは認められておらず、資格外活動許可も原則として認められません。

なお、デジタルノマド向けの特定活動は、在留カードの交付対象外となります。そのため、通常の日本企業が従業員として採用するための制度とは異なることを理解しておきましょう。

参照:出入国在留管理庁|在留資格「特定活動」(デジタルノマド)

特定活動の在留期間は何年?更新はできる?

特定活動の在留期間は、活動内容や本人の状況によって異なります。出入国在留管理庁が定める在留期間は、次のいずれかです。

  • 5年
  • 3年
  • 1年
  • 6か月
  • 3か月
  • 5年を超えない範囲で法務大臣が個別に指定する期間

ただし、すべての特定活動で希望する在留期間を選べるわけではありません。例えば、卒業後の継続就職活動では通常6か月の在留期間が認められ、原則として1回更新できます。一方、デジタルノマドは6か月で、在留期間の更新は認められていません。

このように、特定活動の在留期間や更新の可否は、活動の種類によって異なります。また、更新が認められる制度であっても、必ず許可されるとは限りません。申請時の活動状況や要件を踏まえて審査されます。

企業が外国人を長期間雇用したい場合は、現在の在留期限だけでなく、今後も同じ在留資格で働けるのか、別の在留資格への変更が必要になるのかまで確認しておきましょう。

参照:出入国在留管理庁|在留資格「特定活動」

特定活動の外国人を採用するときに確認する5つのポイント

特定活動の外国人を採用するときの確認事項

特定活動の外国人を採用する場合、在留資格名だけで就労の可否を判断することはできません。指定された活動と実際の仕事内容が一致していない場合、企業側にも不法就労助長などの問題が生じるおそれがあります。

採用前には、次の5つのポイントを確認しましょう。

1.在留カードの在留資格と就労制限を確認する

在留カードが交付されている外国人の場合、まずカードの有効性や在留資格、在留期間の満了日を確認します。特に重要なのが、表面に記載されている「就労制限の有無」です。

特定活動で就労が認められている場合、「指定書により指定された就労活動のみ可」と記載されていることがあります。これは、指定書に記載された活動の範囲で働けることを意味します。

一方、「就労不可」と記載されている場合は、資格外活動許可などによって就労が認められていない限り、原則として働くことはできません。

なお、在留カードが交付されない特定活動もあるため、対象者に応じてパスポートなどの確認が必要です。

2.指定書で認められた活動内容を確認する

特定活動の外国人を採用するときに、特に重要なのが「指定書」の確認です。指定書とは、法務大臣がその外国人に対して認めた具体的な活動内容を記載した書類です。

通常はパスポートに添付されているため、本人に提示してもらいましょう。例えば、特定活動46号では、指定された就労活動の内容によって、従事できる仕事の範囲が決まります。

企業は、採用後に担当してもらう業務が、指定書に記載された活動に該当するか確認する必要があります。また、勤務先が指定されている場合などは、転職時にも注意が必要です。

3.資格外活動許可の有無と条件を確認する

就労が本来の活動に含まれない場合でも、資格外活動許可を受けることで働けるケースがあります。資格外活動許可の有無は、在留カードの裏面や資格外活動許可書などで確認できます。

例えば、週28時間以内の包括許可を受けている場合でも、複数の勤務先で働いていれば、労働時間を合計して管理する必要があります。また、個別許可の場合は、許可された活動内容や条件に従わなければなりません。

「資格外活動許可があるから、どんな仕事でもできる」というわけではないので注意しましょう。

4.実際の仕事内容が在留資格に適合しているか確認する

外国人を採用するときは、求人票に記載した職種名だけでなく、実際に担当してもらう仕事内容を確認することが大切です。

例えば、同じ「店舗スタッフ」という職種でも、接客や通訳、店舗管理などを担当する場合と、清掃のみを担当する場合とでは、在留資格上の判断が異なることがあります。

特定活動46号では、日本語を使ったコミュニケーションや、大学等で学んだ知識を生かす活動が求められます。また、EPA介護福祉士候補者についても、制度で認められた受入れ先や活動内容に従って就労する必要があります。

採用後に仕事内容を変更する場合も、指定された活動の範囲を超えていないか確認しましょう。

5.在留期限と今後の在留資格を確認する

特定活動には、在留期間が短いものや更新が認められないものもあります。そのため、採用前には在留期限を確認するとともに、今後も同じ資格で働き続けられるかを検討しましょう。

例えば、卒業後の就職活動を目的として特定活動で在留している外国人を正社員として採用する場合、入社前に適切な就労資格への変更が必要になることがあります。採用を決めてから手続きを始めると、予定していた入社日に間に合わない可能性もあります。

長期雇用を予定している場合は、採用時点から在留資格の変更や更新を見据えて準備することが重要です。

特定活動から特定技能などの在留資格に変更できる?

現在、特定活動で日本に在留している外国人でも、必要な要件を満たせば別の在留資格へ変更できる場合があります。

例えば、卒業後の継続就職活動を目的として特定活動で在留している外国人が就職先を見つけた場合、仕事内容に応じて次のような在留資格への変更を検討できます。

  • 技術・人文知識・国際業務
  • 特定技能
  • 介護
  • その他、仕事内容に対応した就労資格

ただし、特定活動から希望する在留資格へ自動的に変更できるわけではありません。変更先の在留資格ごとに定められた要件を満たし、在留資格変更許可申請を行う必要があります。

特定活動から特定技能へ変更する場合

特定活動から特定技能への変更を検討する場合、原則として、変更先となる特定産業分野で必要な技能や日本語能力などの要件を満たす必要があります。

例えば、介護施設で外国人を採用する場合、特定技能1号「介護」の要件を満たしていれば、特定活動からの変更が認められる可能性があります。ただし、本人の試験合格状況や技能実習等の修了歴、受入れ企業の要件、仕事内容などを確認する必要があります。

特定活動から特定技能に変更する際には、主に次のような事項が確認対象になります。

  • 本人が変更先の特定技能の要件を満たしているか
  • 受入れ企業が必要な基準を満たしているか
  • 雇用契約や仕事内容が制度に適合しているか
  • 特定技能1号外国人への支援体制が整っているか
  • 在留資格変更許可申請に必要な書類がそろっているか

また、特定技能への移行準備を目的とする特定活動が認められる場合もありますが、これは一定の要件を満たすケースに限られます。

いずれの場合も、変更許可を受ける前に、新しい在留資格を前提とした仕事を始めることは原則としてできません。入社予定日と申請手続きのスケジュールを調整しながら、準備を進めることが大切です。

特定活動の外国人を採用した後に必要な手続き

特定活動の外国人を採用する企業は、就労資格の確認だけでなく、雇用後の届出や在留期限の管理も行う必要があります。特に確認しておきたいのが、「外国人雇用状況の届出」です。

外国人雇用状況の届出を行う

外国人を雇い入れた事業主には、原則として外国人雇用状況の届出が義務付けられています。対象となるのは、在留資格「外交」「公用」の外国人や特別永住者を除く外国人労働者です。

特定活動の外国人についても、届出対象となる場合は、雇入れ時と離職時にハローワークへ届け出る必要があります。届出方法や期限は、雇用保険の被保険者となるかどうかによって異なります。

区分 雇入れ時の届出期限 離職時の届出期限
雇用保険の被保険者となる外国人 雇入れ日の属する月の翌月10日まで 離職日の翌日から起算して10日以内
雇用保険の被保険者とならない外国人 雇入れ日の属する月の翌月末日まで 離職日の属する月の翌月末日まで

雇用保険の被保険者については、資格取得届や資格喪失届によって外国人雇用状況の届出を行います。

なお、届出の際には在留資格や在留期限などを確認しますが、在留カードのコピーをハローワークへ提出する必要はありません。

在留期限と就労条件を継続して管理する

採用後も、在留期間の満了日や就労条件を継続して確認することが重要です。例えば、在留資格の更新や変更が必要になった場合、申請の準備に一定の時間がかかります。

また、担当する業務や勤務先が変わる場合には、現在の特定活動で認められた範囲を超えないか確認する必要があります。

外国人を安定して雇用するためにも、採用時の書類確認だけで終わらせず、入職後の在留資格管理や各種届出まで対応できる体制を整えておきましょう。

参照:厚生労働省|外国人雇用状況の届出について

特定活動に関するよくある質問

ここでは、特定活動についてよくある疑問をQ&A形式で解説します。

特定活動の在留資格があれば誰でも働けますか?

いいえ。特定活動で働けるかどうかは、本人に指定された活動内容によって異なります。指定された範囲で就労できる場合もあれば、原則として就労が認められない場合もあります。

採用前には、指定書や資格外活動許可の有無を確認しましょう。

特定活動なら週28時間までアルバイトできますか?

すべての特定活動で週28時間のアルバイトが認められるわけではありません。例えば、継続就職活動を目的とする特定活動では、資格外活動の包括許可を受けることで、原則週28時間以内の就労が可能です。

ただし、活動の種類によって資格外活動許可の条件は異なります。許可を受けていない場合は、原則として本来の活動範囲を超えて働くことはできません。

特定活動の在留期間が終了したら帰国しなければなりませんか?

必ずしもそうとは限りません。活動の種類や本人の状況によっては、在留期間の更新や別の在留資格への変更が認められる場合があります。

ただし、すべての特定活動で更新できるわけではありません。引き続き日本に在留したい場合は、在留期限を確認し、必要な手続きを適切な時期に行うことが重要です。

特定活動から正社員になれますか?

特定活動の種類によっては、正社員として働くことも可能です。例えば、特定活動46号では、一定の要件を満たした外国人が常勤で就労することが認められています。

一方、卒業後の継続就職活動を目的とする特定活動の場合は、就職先が決まったあと、仕事内容に応じた就労資格への変更が必要になることがあります。正社員として採用できるかどうかは、雇用形態だけでなく、指定された活動内容と実際の仕事内容をもとに判断する必要があります。

特定活動46号と特定技能はどちらも介護施設で働けますか?

どちらも制度上の要件を満たせば、介護施設で働ける場合があります。ただし、認められる業務や必要な条件は異なります。

特定技能1号「介護」は、介護分野で所定の技能・日本語能力などの要件を満たした外国人が介護業務に従事するための制度です。一方、特定活動46号では、学歴や高い日本語能力などの要件を満たしたうえで、指定された活動の範囲で働く必要があります。

採用を検討する際は、施設で担当する業務に適した在留資格を確認しましょう。

まとめ|特定活動とは個別に活動内容が指定される在留資格

特定活動とは、法務大臣が外国人一人ひとりに対して、日本で行うことのできる活動を個別に指定する在留資格です。ワーキング・ホリデーや特定活動46号、卒業後の就職活動、EPA看護師・介護福祉士候補者、デジタルノマドなど、多様な活動が含まれています。

特定活動の大きな特徴は、同じ在留資格でも就労できる範囲や在留期間、更新の可否が異なることです。そのため、外国人材を採用するときは、在留資格名だけで判断せず、次の内容を確認する必要があります。

  • 在留カードの在留資格・就労制限・在留期限
  • 指定書に記載された活動内容
  • 資格外活動許可の有無と条件
  • 実際に担当してもらう仕事内容
  • 在留資格の更新や変更の必要性

特定活動は種類が多く、制度改正によって要件が変更されることもあります。判断に迷った場合は、出入国在留管理庁の最新情報を確認し、個別の在留資格判断や申請については、地方出入国在留管理局や行政書士などの専門家へ相談しましょう。

また、特定活動から特定技能への変更を検討している外国人材の採用など、特定技能外国人の採用や入職後の支援についてお困りの場合は、医療介護ネットワークへご相談ください。

医療介護ネットワークでは、外国人材の紹介に加え、受入れ後の生活・就労支援まで、採用と定着をサポートしています。外国人材の受入れを検討している企業や施設のご担当者様は、お気軽にお問い合わせください。

参考資料