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特定技能「物流」の受入れガイド|フォークリフト乗務は可能?試験から手続きまで

物流業界における“2024年問題”

時間外労働の上限規制により、輸送能力の不足や人手不足が深刻化する中、大きな期待を寄せられているのが「特定技能」による外国人材の受け入れです。

2024年、ついに特定技能の対象職種に自動車運送業分野が新設され、その中に「物流(倉庫作業)」が正式に追加されました。

本記事では、物流分野で特定技能外国人を受け入れるための要件や、現場で最も気になる「フォークリフト乗務」の可否、具体的な手続きの流れまでを徹底解説します。

物流分野で特定技能制度が解禁された背景

これまで、倉庫内作業での外国人雇用といえば「技能実習」や「資格外活動(留学生のアルバイト)」が主流でした。

しかし、技能実習はあくまで技術移転による国際貢献を目的としているため、労働力不足の解消を直接の目的とした特定技能の導入が強く望まれていました。

そしてついに、2024年の制度改正で物流(倉庫作業)が正式に対象となったことで、即戦力となる外国人材を最長5年間、正社員として雇用することが可能になったのです。

2026年現在、物流網の維持は喫緊の課題となっており、繁忙期だけでなく通年での安定した人員確保を可能にするこの制度は、企業の持続可能性を左右する鍵となっています。

業務範囲:フォークリフト乗務と付随業務の境界線

現場の担当者が最も気になるのが「特定技能生にどこまでの作業を任せられるのか」という点ですよね。

基本的な業務内容

特定技能「物流」で認められる主な業務は、以下の通りです。

  • 荷役: 入出荷、ピッキング、仕分け、検品、梱包、積み込みなど
  • 棚卸し・在庫管理: 倉庫内での商品管理業務全般
  • 流通加工: 商品へのラベル貼りやセット組みなど

フォークリフトの乗務については、結論から言えば、可能です。

ただし、以下のステップを必ず踏む必要があります。

  1. 資格の取得: 日本人と同様に「フォークリフト運転技能講習(1トン以上)」または「特別教育(1トン未満)」を修了しなければなりません。
  2. 主たる業務としての実施: 物流の特定技能として雇用されている場合、倉庫内での荷役業務の一環としてフォークリフトを操作することは、制度上全く問題ありません。

注意すべき「付随業務」の範囲

特定技能には「専らその業務に従事すること」という原則がありますが、主たる業務(荷役など)に付随する範囲であれば、以下の作業も認められます。

  • 倉庫内の清掃・整理整頓
  • 事務作業(伝票整理など)
  • 運搬車両への助手としての同乗

事務作業だけをさせる、といった主従逆転は認められませんので注意が必要です。

特定技能「物流」を受け入れるための条件

特定技能として働くためには、外国人と企業側の双方が要件を満たす必要があります。

外国人本人が満たすべき「2つの試験」

  1. 技能試験: 「物流分野特定技能1号評価試験」に合格すること。
    倉庫内作業の基礎知識や実技が問われます。
  2. 日本語能力試験: 「日本語能力試験(JLPT)のN4以上」、または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」に合格すること。

受け入れ企業側が満たすべき基準

  • 日本人と同等以上の給与: 同じ業務を行う日本人従業員と同等以上の報酬を支払う義務があります。
  • 労働法規の遵守: 社会保険の加入はもちろん、過去に労働基準法違反や不法就労助長などの欠格事由がないことが条件です。
  • 適切な支援計画: 空港への送迎、住居の確保、銀行口座や携帯電話の契約サポート、定期的な面談など、多岐にわたる「1号特定技能外国人支援計画」の実施が義務付けられています。

技能実習と特定技能、どちらを選ぶべき?

物流現場において、どちらの制度が適しているかは企業の状況によります。

比較項目 技能実習 特定技能(1号)
目的 国際貢献・技術移転 労働力不足の解消
即戦力性 未経験者が中心 試験合格者または実習修了者
転職の可否 原則不可 同一職種内での転職が可能
雇用期間 最長3年(3号移行で5年) 最長5年

特定技能は、すでに日本での生活基盤がある「技能実習修了生」を雇用できるケースも多く、教育コストを抑えた即戦力採用に向いています。

登録支援機関へ委託するメリット

特定技能の受け入れには、出入国在留管理局への膨大な申請書類の提出と、入国後の継続的な支援が義務付けられています。これらを自社ですべて完結させる「自社支援」には、専門知識を持つスタッフの配置が必要です。

登録支援機関を活用することで得られるメリット:

  1. 煩雑な事務手続きの代行: 制度改正が激しい特定技能において、ミスのない申請をサポートします。
  2. 母国語での相談体制: 外国人スタッフのメンタルケアやトラブル防止のため、母国語での面談や相談窓口を提供します。
  3. 採用から定着までの一貫支援: 適切なマッチングから入国後のフォローまでを行うことで、早期離職のリスクを大幅に軽減します。

【重要】実務上の注意点(注釈)

・フォークリフト免許について

フォークリフトの運転には、日本の法令に基づく技能講習等の修了が必須です。母国の免許では運転できません。入国後に日本の教習所等で資格を取得させる場合、その期間の給与支払いや講習費用の負担区分については、雇用契約締結前に明確にしておくことが推奨されます。

・技能実習からの移行について

技能実習2号を良好に修了した外国人の場合、試験が免除される規定がありますが、実習時の職種が「物流(倉庫作業)」に関連しない場合(例:農業や建設など)は、日本語試験は免除されますが、物流分野の「技能試験」への合格が別途必要になる場合があります。

個別のケースについては事前確認が必須です。

・制度の最新情報について

特定技能制度は、出入国在留管理庁の運用要領に基づき、随時アップデートされます。

本記事の内容は2026年3月時点の情報に基づいています。実際の申請にあたっては最新の指針をご確認ください。

まとめ:物流の未来を担うパートナーとして

特定技能「物流」の活用は、単なる人手不足の補填ではありません。

意欲の高い外国人材をチームに迎えることで、現場の活性化やオペレーションの見直しなど、副次的なメリットも多く生まれます。

「自社が要件を満たしているか知りたい」「フォークリフト資格の取得プロセスを詳しく聞きたい」という企業様は、ぜひ一度当機関までご相談ください。貴社の状況に合わせた最適なプランをご提案いたします。