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みなさんはここ数年、「介護の現場で外国人スタッフが増えているな」と感じたことはありませんか?
実際、政府の発表によると、介護分野で働く特定技能人材は全国で約5万人を超え、今後は2028年度までに約13万人規模まで拡大すると見込まれています。
これは、日本で働く外国人を受け入れる「特定技能」という制度が始まったことで、介護分野にも世界中から人材が集まっているためです。
とはいえ、「特定技能介護ってどんな制度?」「何人まで雇えるの?」と、仕組みがよく分からない方も多いはず。
2025年度には制度の一部が見直され、受け入れルールも少しずつ変化するなど、ルール改正が目まぐるしく変化する分野でもあります。
この記事では、最新の制度改正内容をもとに、「特定技能介護の受け入れ人数」や「人数制限の考え方」、「例外的に認められるケース」までをわかりやすく解説。
制度の背景やルールを知ることで、外国人スタッフと日本人が協力し合う介護の未来が、もっと身近に感じられるはずです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
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特定技能とは?外国人が介護現場などで働ける在留資格のひとつ

特定技能介護の受け入れ人数についてお伝えする前に、まずは「特定技能介護とはどのような制度なのか」を簡単に整理しておきましょう。
少子高齢化が進む日本では、介護現場の人手不足が年々深刻になっています。この状況はニュースなどでも取り上げられることが多く、ご存じの方も多いかもしれません。
そうした課題に対応するために創設されたのが、介護分野における特定技能制度です。
特定技能制度は、人手不足が特に深刻だと認められた産業分野において、一定の技能や日本語能力を有する外国人が日本で働けるように設けられた在留資格制度です。
その中でも介護分野は早い段階から対象となり、現在では多くの特定技能外国人が全国の介護施設で活躍しています。
介護の仕事に強い意欲を持つ外国人材が加わることで、人手不足の緩和につながるだけでなく、利用者との日々の関わりの中で新しい文化や価値観が共有される場面も増えています。
現場にとっては、人員面だけでなく、環境面にも良い変化が生まれつつあると言えるでしょう。
特定技能制度の概要と導入の背景
特定技能制度は、2019年4月に日本で新しく始まった制度です。
介護をはじめ、外食・建設・農業など14の分野で、人手不足を補う目的で導入されました。
外国人がこの制度を利用して働くには、以下をクリアすることが条件となります。
- 一定レベルの日本語力(日本語能力試験N4相当以上)
- 分野ごとの技能試験への合格
これらの条件を突破した外国人は「特定技能1号」として、日本の企業や施設で最長5年間働くことができるんです◎
特に、介護分野では人手不足が深刻なことから、制度導入当初から多くの外国人が活躍しています。
ポイント
日本語と介護スキルをしっかり身につけた外国人が、正式に日本の介護施設で働けるようになったのが「特定技能介護」。
特定技能介護1号の就労条件と業務内容
「特定技能(介護)1号」で働く外国人は、主に介護施設やデイサービスセンターなどで、日本人職員と同じように介護業務を行います。
主な仕事内容は次のとおり。
| 業務区分 | 具体的な仕事内容 |
| 身体介護 | 食事・入浴・排せつなど、生活のサポート |
| 生活支援 | 掃除・洗濯・買い物など、日常生活を支える業務 |
| レクリエーション補助 | 利用者との会話、軽い運動やイベントのサポート |
| 記録業務 | 利用者の様子をノートやパソコンに記録する |
特定技能1号の在留期間は最長5年ですが、在留期間中に介護福祉士の資格を取得した場合「特定技能2号」または「介護福祉士」として、無期限での就労・家族の帯同も可能になります。
日本でのキャリアアップを目指す外国人にとって、特定技能介護は大きなチャンスといえるでしょう。
2025年度の特定技能介護制度改正と受け入れ人数の最新動向

2025年度には特定技能介護の制度が見直され、特定技能を持つ外国人が働ける範囲や手続きの仕組みがより柔軟になりました。
制度が始まってから6年。日本の介護現場では、今や外国人スタッフがなくてはならない存在にまで拡大しています。
ここでは、2025年度に行われた主な改正内容と、その背景にある介護業界の課題を見ていきましょう。
2025年4月施行の制度改正で変わった点
2025年4月からの制度改正では、特定技能外国人が「訪問介護(居宅・重度訪問介護など)」にも従事できるようになったことが今までと大きく違います。
これまでは、特定技能介護人材は主に施設内での勤務が中心でしたが、これで今後は在宅でのケアや生活支援にも携われるようになるというわけです。
また、手続き面もオンライン化が進み、かなり楽になりました。
たとえば、在留資格の申請や支援計画の提出が一部オンラインで可能になり、企業・支援機関の事務負担が軽減されています。
| 主な改正点 | 内容 |
| 訪問介護への従事が可能に | 在宅介護でも特定技能人材が働けるように |
| 申請手続きの効率化 | オンライン申請・面談対応が一部導入 |
| 支援体制の明確化 | 生活支援や教育体制の強化を義務化 |
このように、2025年度の改正は人手不足を補うと同時に、「安心して受け入れられる仕組みづくり」に重点が置かれています。
特定技能制度が見直された理由は?深刻化する人手不足と介護現場の課題
では、なぜ特定技能の制度が見直されたのでしょうか。
その答えは、介護業界の人手不足が限界に近づいていることにあります。
厚生労働省の試算では、2025年度には全国でおよそ32万人の介護職員が不足すると言われています。
高齢化が進む一方で、介護の担い手となる若い世代が減っており、国内だけでは人材を確保しきれないのが現状。
そのため政府は、外国人材を「一時的な労働力」ではなく、日本の介護を支える大切なパートナーとして迎え入れる方針を打ち出しました。
今回の制度改正は、そのための土台を整えるためのステップといえるでしょう。
ポイント
特定技能介護の改正は「受け入れ拡大」だけでなく、「働く人と施設の双方が安心できる環境づくり」が目的。
特定技能介護の受け入れ人数の上限と人数制限の仕組み

特定技能介護では、全国的に見ても年々受け入れ人数が増加しています。
政府が公表している見込みによると、介護分野の特定技能外国人は、
2019〜2023年度で約5万1千人、2024〜2028年度には約13万5千人まで拡大する見通しなのだとか。
これは全特定技能分野の中でも特に多い数字。
今や特定技能の外国人人材は、日本の介護現場においてなくてはならない大きな戦力となっています。
とはいえ、各施設が自由に何人でも雇えるわけではありません。
実際の受け入れには、施設ごとに上限のルールが定められています。
ここでは、特定技能外国人の人数制限の仕組みを見ていきましょう。
「日本人等常勤職員数の総数」が基本ルール
介護分野では、1つの施設が受け入れられる外国人スタッフの数には決まりがあり、日本人等の常勤職員数の総数が上限となります。
💡日本人「等」に含まれる外国人は?
- 介護福祉国家試験に合格したEPA介護福祉士
- 在留資格「介護」により在留する外国人
- 永住者や日本人の配偶者など、身分・地位に基づく在留資格により在留する外国人
※技能実習生やEPA介護福祉士候補者・留学生は含まれないので注意。
たとえば、常勤職員が30人の介護施設であれば、受け入れ可能な特定技能人材は30人を超えない人数となります。
この上限は、現場の教育・支援体制を保ち、利用者の安全を確保する目的で設けられているのだとか。
介護現場では、言語や文化の違いを超えてチームで動くため、
このような「人数バランス」がとても重要視されている、というわけですね。
受け入れ人数を算出する際の注意点
特定技能の外国人の受け入れ人数を計算するときには、次のようなルールを押さえておく必要があります。
算出時のポイント
- カウントされるのは「常勤職員」のみ(非常勤・パートは対象外)
- 基準日は「申請時点」または「直近の給与支払月」
- 支援体制・教育体制の整備が必須
- 生活支援計画書などの書類に人数根拠を明記する必要あり
つまり、「数の条件を満たすだけ」では認められません。
外国人スタッフが安心して働けるように、教育担当者や生活支援スタッフの配置が求められます。
ポイント
国全体では受け入れ枠が拡大していても、各施設には上限が設けられています。
特定技能介護の受け入れ人数に関する例外条件と実務上の注意点

「人数制限は日本人等の常勤介護職員の総数」と聞くと、「少しでも超えたらダメなの?」と思う方も多いかもしれません。
実は、運用の中では一定の例外や柔軟な対応が認められるケースもあります。
ここでは、よくある例外パターンと、施設運営で気をつけておきたい実務上のポイントを紹介します。
職員の一時的な減少時は猶予が与えられるケースも
介護の現場では、退職や産休・育休などによって、日本人職員の人数が一時的に減ることがあります。
そのような場合でも、すぐに特定技能人材の人数を減らさなければならないわけではありません。
入管庁の運用では、補充計画があり、誠実に対応している施設については、一時的に人数が上限を超えても認められることがあります。
| 状況 | 対応の目安 |
| 一時的な退職・産休 | 補充予定があれば特定技能人数を維持可能 |
| 補充が遅延する場合 | 支援機関への報告・計画書提出が必要 |
| 長期的に基準を下回る場合 | 行政から改善指導を受ける可能性あり |
つまり、人数のルールは一律に決められているわけではなく、現場の状況をきちんと見たうえで柔軟に判断されるんですね😊
ポイント
受け入れ人数が一時的に基準を超えても、焦らず「理由と今後の対応」を明確に説明できるようにしておきましょう。
複数施設・グループ法人での人数制限の扱い
複数の介護施設を運営している法人では、「事業所ごとに人数制限があるのか」「全体でまとめて考えていいのか」と迷うケースもありますよね。
原則として、特定技能の介護の人数制限は事業所単位で適用されます。
ただし、以下のようなケースでは、法人全体での判断が認められる可能性も。
- 各施設の人事・教育体制が一元管理されている
- 本社が職員配置や教育を統括している
- 地方出入国在留管理局へ特例届出を行っている
| 区分 | 判断単位 | 対応例 |
| 通常の施設運営 | 事業所単位 | 各施設で上限を算出 |
| 一元管理法人 | 法人単位 | 法人全体で人数調整可能 |
ただし、この扱いは地域や管轄の入管によって判断が異なる場合もあります。
「うちの施設はどうなるの?」と迷ったら、支援機関や監理団体に相談するのが安心です。
まとめ |特定技能介護の受け入れ人数を正しく理解して安定した運営を
今回は特定技能介護の受け入れ人数について、お話しました。
2025年度の制度改正によって、特定技能介護で働ける範囲が広がり、外国人スタッフが活躍できる場面がさらに増加しています。
一方で、受け入れ人数には日本人などの常勤職員の総数までという上限があり、無理のない体制づくりがカギ。
人数のバランスを保ちながら、教育や生活のサポートを丁寧に行うことで、外国人スタッフも安心して働くことができます。
介護の質を守りつつ、多様な人材が力を発揮できる環境を整えること。
それが、これからの介護現場を支える大きなポイントとなるでしょう。
この記事のまとめポイント
- 受け入れ人数の上限は「日本人等の常勤職員の総数」
- 支援体制・教育体制を整えてトラブルを防ぐ
- 外国人と日本人が協力し合うことで、介護の現場がより温かくなる
また、最近では特定技能介護スタッフの姿を積極的にSNSで発信している施設も増えています。
私たち医療介護ネットワークでも、現在、InstagramやTikTok、YouTubeチャンネルを運用中。
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このチャンネルでは、特定技能にまつわることをショート動画で解説したり、実際に現場で働く外国人スタッフのインタビューや、働いているスタッフの日常などを紹介しています。
特定技能の介護についてや現場のリアルを知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。
特定技能介護は、制度という枠を超えて、人と人とが助け合い、支え合う新しい介護の形です。
現場で頑張るスタッフの姿を知り、制度への理解を深めることで、外国人スタッフとともに温かい介護の未来をつくっていけるでしょう。